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2024.4.28

イベントレポート

持続可能なエンジェル投資について考える「Grow Startups for the Future」

当協会は、日本のエンジェル投資環境を整え、スタートアップの成長を後押しする活動をしています。月に1度のペースで、活動報告、最新ニュース、ピッチイベントのレポートなど、エンジェル投資に関わる様々な情報を発信していきます。

2024年4月26日、東京で開催された「Grow Startups for the Future」に、代表理事の山本敏行が基調講演、並びにパネルディスカッションで登壇しました。
日経新聞社がスタートアップへのアプローチを今年から更に取り組んでいくための、第一弾となるイベントです。
5月27日から始まるアーカイブ配信で視聴することができますが、パネルディスカッションの中身をレポートいたします。

また、最後に山本の「アメリカでTeslaの自動運転機能(FSD)体験記」がございます。自動運転技術の「今」を感じていただきたく、併せてご覧いただけますと幸いです。

 

日経新聞社がスタートアップ支援に本気で取り組む

日本経済新聞社(以下、日経)は、2019年からスタートアップ、アトツギベンチャーと企業をつなぐピッチイベント「スタ★アトピッチJAPAN」を開催してきました。岸田政権の「スタートアップ育成5カ年計画」を受け、「NIKKEI THE PITCH」と名前を変えて、全社的にスタートアップ支援を本格的に進めるそうです。

日経の「日本にエンジェル投資家をもっと増やさなくてはいけない」という思いが、当協会の活動に合致し、日本の現状、エンジェル投資家が増えるためのスキームについてお話しすることになりました。

Grow Startups for the Futures 基調講演で話す代表理事の山本敏行

Grow Startups for the Futures 基調講演で話す代表理事の山本敏行

アメリカのエンジェル投資は、相当なお金持ちしか無理?

山本:3月のあるイベントで、アメリカでレジェンドと言われているエンジェル投資家、連続起業家のDavid S. Rose氏の対談を拝聴しました。 この方は数多くのスタートアップに投資していて、NYでアクティブなエンジェル投資グループの1つである「New York Angels」の創設者、ベストセラーになった『Angel Investing』の著者としても有名です。

David氏曰く、投資もワインと同じように「当たり年、外れ年」があるそうです。戦争、コロナ、為替といった外的要因が関係するため、1年目に一気に投資して、それが外れ年だと大変なことになってしまいます。

オススメの投資の仕方は、3ヶ月に1度、1社に対して25,000ドル(約400万円)を投資することを推奨しています。年4社に投資することになるので、年間100,000ドル、それを6年間続けるように言っています。 エンジェル投資はリスクが大きいので、投資に回すのは余裕資産の10%までにすべきとのこと。
単純に計算すると、6ミリオン(9億円)くらい持っていないと、その10%の投資はできないことになりますから、こんなエンジェル投資家が果たして日本にどれだけいるのか、と。

–Exitするまでの時間を考えても、リターンがなく6年間過ごすことができるのは、よっぽどの資産家だけですよね。

日本にマッチした投資スタイルを模索

山本:このDavid氏の投資スキームを、更に日本流にブラッシュアップしたものを「エンジェル投資必勝法」として推奨していきたいと考えています。
彼のメソッドを踏襲して、シード、アーリーのスタートアップに3ヶ月に1社200万円、年に4社投資します。更に年に1~2社、上場準備に入るレイターに200万円ずつ投資します。年間トータル1,200万円です。それを2年目も同じペースで続けます。
エンジェル投資2~3年目には、遅くともレイターの1社が上場し出すので、少なからずリターンが入ってきます。そうすると、投資を始めて2〜3年目くらいから持ち出しなく投資ができるようになるのです。

私の肌感覚では、日本のエンジェル投資家の90%以上が、3年以内に投資をやめてしまう、という傾向があります。

大抵1年目に一気に投資して、2年目には投資した何社かが倒産し出したり、お金も無くなってきて…「エンジェル投資は儲からないからもういいや」とやめてしまうパターンが多いですね。 また、IPOやExitを経験したお金を持っているエンジェル投資家でも、投資先が30社を超えると、他に興味が向くのか、やめてしまう方が多いように感じます。 こうなると、いくらエンジェル投資家を増やす活動をしても、バケツに穴が空いている状態ではいつまでたっても増えません。
我々は、中小企業の社長のような「潜在的なエンジェル投資家」を増やす活動をしながら、エンジェル投資をやめずに、永続的に投資活動を続けていける環境をつくっていきたいと思っています。

Grow Startups for the Future
日本エンジェル投資家協会

パネルディスカッションに真剣に耳を傾ける参加者

福岡「金融・資産運用特区」を目指す

岸田内閣は2023年9月に「資産運用の活性化を目的」に特区の創設を表明しました。金融庁は今年の夏をめどに特区に指定する自治体を決める方針で、福岡のほかに札幌市が手を挙げています。
(以下、読売新聞オンラインより抜粋)

海外の業者にとって日本語での手続きはハードルが高く、審査にも時間がかかるとして、特区では一定の金融監督水準のある国や地域で実績のある資産運用業者について、国内の登録審査を免除することを提案。1~3か月程度かかる経営管理ビザの審査期間も短縮し、スムーズな事業開始につなげるとした。

また、スタートアップ(新興企業)への投資機会の拡大のため、投資の勧誘対象となる人数を現行(49人以下)から増やすとした。こうした規制緩和策は、2020年発足の産官学組織「チーム福岡」で国際金融機関の誘致に取り組む際、海外企業などから実際に指摘された課題だという。

特区の区域は県内全域を想定している。高島市長はこの日の会見で「福岡はアジアに近いという強みがあり、チーム福岡ではすでに23社を誘致した実績がある」と強調。服部知事も「各分野に優れた成長産業が立地している。資金が供給されれば雇用も拡大する」と述べた。

 


一般社団法人日本エンジェル投資家協会では、エンジェル投資家向けの「エンジェル会員」、スタートアップを支援している自治体や企業・団体向けの「パートナー会員」を募集しています。

会費は無料です。ぜひ一緒にスタートアップの成長を支える活動をしませんか?

詳しくはこちら → https://j-angel.jp/

イベント情報

  • 開催日時:2024年4月26日(金)15:00~18:00
  • 開催場所:TIB(Tokyo Innovation Base)
     千代田区丸の内3-8-3 SusHi Tech Square 2F
  • 内容:日本経済新聞社が主催するピッチランの全国大会「スタ★アトピッチ」の入賞者や有識者がスピーカーとして参加するセミナー・ネットワーキングイベント
  • 主催:日本経済新聞社イベント・企画ユニット(Grow Startups for the Future事務局)
  • 共催:デル・テクノロジーズ
  • 協力:TIB(Tokyo Innovation Base)
  • 登壇者:
    • 山本 敏行氏(日本エンジェル投資家協会 代表理事 / Power Angels CEO)
    • 岡本 英樹氏(経済産業省 / 経済産業政策局 新規事業創造推進室 / 室長補佐)
    • 加納 千裕氏(ASTRA FOOD PLAN)
    • 角谷 倫之氏(アイラト)
  • アーカイブ配信の申込みはこちらから

    Grow Startups for the Future アーカイブ配信
山本敏行


番外編「アメリカでTeslaのFSDを体験」

代表理事の山本です。4月中旬にアメリカ出張に行ってきました。 出張中にやりたかったことの一つが「TeslaのFull Self Drivingを体験すること」です。 通常のレンタカーだとテスラは借りられないですし、FSDを搭載している車を指定出来ないため、Airbnbのように個人同士で車のレンタルを行うTUROでお目当ての車を予約しました。

宿泊しているホテルに持ってきてもらい、いよいよFSDのテスラに乗車。 結論から言うと「最高!」でした。レンタルした2日間で500kmほど走行しましたが、全く疲れなかったですし、ナビと連動しているので、ナビに目的地を入れれば自動運転でどこへでも連れていってくれます。

FSDの時は一切問題がなかったのに、自分で運転したら信号の左折を待ってしまい、後続車からクラクションを鳴らされました(笑) あまりにも快適で、近々またアメリカに行って運転したいと思っています。

日本はタクシー運転手不足で、ようやくライドシェアが部分的に解放されましたが、アメリカや中国ではすでに完全無人の自動運転車「ロボタクシー」が実現されつつあります。日本のメーカーも追いつけ追い越せで、自動運転機能に取り組んでもらいたいです。